東葛の寺社めぐり(番外)
白井市の神社・仏閣を訪ねる旅(後)
後編は白井市北部を中心に前編で紹介できなかった寺社を紹介する。
【戸田 照朗】
豊かな緑の中に寺社が点在
手賀沼に近くなる北部には鮮魚(なま)街道の一部が走っている。鮮魚街道は江戸時代に銚子港で水揚げした鮮魚を利根川まで舟で運び、布佐で一旦陸揚げ。松戸まで馬の背に乗せて輸送した。その鮮魚街道の途中、平塚地区に商店があり、店先に石の道標がある。ここから下手賀沼に向かう道が出ているが、この道も鮮魚街道として使われていたことがあり、利根川から下手賀沼まで舟で運ばれた鮮魚を運んでいたという。
道を進むと小さな集落があり、立派な石造りの塀のある家が並んでいる。この平塚地区には、延命寺、鳥見神社、八幡神社がある。
延命寺は寛弘2年(1005)開基の真言宗豊山派の寺で、境内にある観音堂は千葉延命寺観音堂平塚の鳥見神社本殿滝田家住宅豊かな緑の中に寺社が点在県指定有形文化財だ。屋根は入母屋(いりもや)造で、現在は銅板葺になっているが、もともとは茅葺だったという。棟札の写しや建築手法から、寛文7年(1667)に石川県金沢の大工が携わって造立が始まり、翌年に完成したと考えられている。
また、境内には市指定有形民俗文化財の十九夜塔がある。安山岩製で高さ126センチ。光背型をとり、中央に六臂(ろっぴ)の姿で如意輪観音像が彫られている。寛文10年(1670)に製作された十九夜塔は市内最古の民間信仰に基づく石造物だという。
鳥見神社は入口、鳥居のところからは拝殿しか見えないが、拝殿の裏には立派な塀に囲まれた本殿(こういう造りをなんと言うのか知らないが)があった。白井市には小さくても立派な造りの神社が実に多い。八幡神社は、森の中の小道を行くと小さな社殿がある。
道は八幡神社の入り口前から下り坂になるが、坂を下りた先には下手賀沼と滝田家住宅がある。滝田家住宅は寺社ではないが、国指定重要文化財の貴重な建物なので、紹介しておこう。
桁行9間(17・3m)、梁間5間(10・4m)の規模を有し、寄棟造、茅葺屋根が特徴的な古民家。17世紀中頃から後半に建てられたとも推定されている。滝田家は江戸時代以来平塚地区の船戸に居住を続ける旧家で、滝田家住宅はこの地に建てられてから300年以上がたつ。県内の国指定重要文化財の古民家で居住を続けているのは、滝田家のみだという(見学を希望する場合は、事前に白井市教育委員会文化課、電話047・492・1123まで連絡を)。
平塚地区の隣、金山落(おとし)に沿った今井地区には11基の水塚があり、うち7基が市指定有形民俗文化財に指定されている。水塚は河川や沼水が氾濫した時に一時的に住居や家財の避難場所となる土盛りや、その上に築かれた建物のこと。この地区を歩くと、市が建てた「今井の水塚」の白い標柱が入口に建つ家が何軒もあった。
また、今井にある稲荷神社は、道路沿いの木立の中に境内があり、趣があった。
今井から名内という地区に入ると、道沿いに東光院、栗嶋神社、鳥見神社がある。
東光院本堂には市有形文化財の木造地蔵菩薩立像が安置されている。針葉樹材の一木造で、像高は63・5センチ。昭和52年に修理が行われた時に胎内墨書が発見され、元亀2年(1571)に佐津間村(現鎌ヶ谷市佐津間)の真如坊という仏師によって製作され、宝永2年(1705)に大仏師法橋右京という人物が修理を行ったことが確認された。明治24年(1891)4月24日に名内地区を襲った大火の際に焼失を免れたことから、「火伏(ひぶ)せの地蔵様」とも呼ばれ信仰を集めている(原則非公開)。
栗嶋神社、鳥見神社へと向かう道からは、この地方特有の谷津田の風景も垣間見えて、歩いていて楽しい。道は白井第一工業団地と第二工業団地の間の比較的広い道につながるが、工業団地との際に鳥見神社がある。眼前に広がる工業団地の風景と、鳥見神社の緑の杜があまりにも対照的で、印象深かった。
市の南東にある谷田地区の西福寺境内には子育て観音の「乳房公孫樹( ちぶさいちょう)」と呼ばれる市の天然記念物に指定された、幹周り510センチの大きな公孫樹がある。「観音にすがり乳柱の一部を削って煎じ、これを愛飲すると忽ち乳が出る」とされ信仰を集めた。近郷からも乳飲み子を抱えた母親の参詣で賑わい、特に戦前は東京からも人々が訪れたという。
谷田地区の隣の清戸地区には薬王寺と宗像神社がある。
道から階段を上り薬王寺境内に入ると、山を背に本堂や薬師堂などがある。近くのゴルフ場の敷地内に「清戸の泉」(県指定史跡)があり、龍神伝説が伝わっている。この龍神伝説と清戸の地名の由来について記された版木が同寺で保管されているという。
宗像神社の入口、鳥居の周辺には大木が生い茂っていた。本殿は森の中にあるが、拝殿もなく巨大な本殿だけがデンと座る光景はちょっと珍しい。本殿の造りは屋敷神などの小さな祠を、そのまま巨大化したように見えた。
※参考資料=「白井市の指定文化財」(白井市教育委員会)
※東光院の木造地蔵菩薩立像の写真は白井市教育委員会提供
しろあと子供会が初優勝
市ジュニアソフト
松戸市ジュニアソフトボール連盟(綿内功会長)主催による、市長旗争奪「第73回松戸市ジュニアソフトボール連盟大会」(松戸よみうり新聞社後援)の決勝トーナメントが先月24日、新松戸西小グラウンドで行われ、しろあと子供会が陣ヶ前子供会を5─0で破り、初優勝を果たした。
しろあとは2回表に四球とタイムリーヒットで1点を先制。2回表には四球にエラーなどもからんで3点を追加。試合の流れを決定づけた。
しろあとは、北リーグで優秀投手賞、ホームラン王賞、得点王賞の3冠を獲得した主将の山ア雄大くん( 6年)が決勝でも安定したピッチングを見せ、バックもよく守った。
陣ヶ前は決勝戦の緊張感からか、四球やエラーが失点につながったことが残念だった。
MVPに輝いた山アくんは、「みんな明るくて元気なチーム。決勝は緊張するかと思っていたが、リラックスしていいピッチングができた。秋もリーグ戦で優勝して、V2を目指したい」と話した。
池田敬親監督(48)は、「ピッチャーの山アはじめ、みんなよく一生懸命やってくれた。優勝したことで、秋は目標にされるようなチームになると思うが、連覇を目指して頑張りたい」と話した。
★準々決勝 陣ヶ前 3─2 わかば 八ヶ崎 16─0 さつき しろあ 2─0 南花島 相模台 5─4 古ヶS
★準決勝 陣ヶ前 3─2 八ヶ崎 しろあ 4─1 相模台
★決勝 しろあ 5─0 陣ヶ前 |
【最終順位】 優勝=しろあと子供会、準優勝=陣ヶ前子供会、3 位= 八ヶ崎レッドウィングス・相模台、4位=わかばソフトボール、さつき子供会、南花島子ども会、古ヶ崎SKソフトボール
【個人賞(敬称略)】 ▼優秀投手賞=石川梓( 古ヶ崎S K ソフトボール)、萩原宗也(八ヶ崎レッドウィングス)、小出穣(わかばソフトボール)、山ア雄大(しろあと子供会) |
▼ホームラン王賞=和田陽紀(古ヶ崎SKソフトボール)、羽子田沙優(常盤平東子ども会)、星日向太(横須賀ソフトボール)、山ア雄大(しろあと子供会) ▼得点王賞=大村遥希(杉の子こども会)、川田尚輝( 相模台)、大内秀(わかばソフトボール)、山ア雄大(しろあと子供会) ▼敢闘賞=西浜彪我(陣ヶ前子供会) ▼MVP賞=山ア雄大(しろあと子供会)
【戸田 照朗】 |
夏休み子ども囲碁教室
8月中の木曜、松戸駅西口の囲碁サロンで開催
NPO法人日本青少年囲碁協会(菊池康郎理事長)では、8月に開催する小学生以下を対象とした初心者囲碁無料教室の参加者を募集している。
同協会は、囲碁の持つ教育的効果の普及などを目的に、今年2月に発足。事務局を松戸市に置き、子どものための囲碁学習(教室)や、小・中学校等への講師の派遣事業などを行っている。
無料教室は、8月中の毎週木曜、午後1時からの開催を予定。対象は小学生以下で、幼稚園児の参加も可。また、8月中の毎週日曜(午後1時〜)は大人対象の初心者教室(無料)も行う。
会場はいずれも、インターネット囲碁のパイオニアとして知られる「GO─NET囲碁サロン」(松戸市本町17─11芹澤ビル5F。JR松戸駅西口)。
同協会の蒲原久博事務局長は「囲碁は頭と心のスポーツであり、直感と思考のゲーム。囲碁をすることにより考えようとする習慣がつく、という効果もあり、子どもの教育に適しています。今の子どもはゲームばかりでなく、集中力を高め思考力を養える囲碁に触れてもらいたい」と、多くの子どもの参加を呼びかけている。
問い合わせは、電話362・1077同協会
里親募集
オス( = 右写真)、生後2か月。毛色は全身白ですが、頭と尻尾に茶が混じってます。好きなのは抱っこ。喉をグルグル鳴らして喜びます。肩登りも得意な元気な仔です。ワクチン、去勢手術は当方でいたします。 電話090・3591・5514仲沢。
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メス( = 左写真)、生後2か月。白地に黒の日本猫です。ワクチン済み、トイレも自分で行けます。フレンドリーで可愛い性格です。譲渡にあたっては、完全室内飼育、時期が来たら不妊手術をさせる、60歳以降の方は後見人の確認など、その他会としての規則があります。
電話090・4177・0635、NPO法人ぽちタマ会、佐野。
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ぽちタマ会では、29日と来月5日に、犬猫の譲渡会を松戸中央公園(イトーヨーカドー松戸店裏)で開催する。午前11時から午後2時まで。詳細は、「ぽちタマ会」でHP検索。