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- カテゴリ: 第803号(2016年7月24日発行)
- 2016年7月24日(日曜)09:00に公開
- 作者: 戸田 照朗
新松戸に子ども食堂
子どもが一人でも来られるみんなの食堂に
今月10日、新松戸にある「松戸くらしの助っ人」事務所(新松戸市民センター隣)に、「子ども食堂」がオープンした。中心となったのは、「まつど子ども食堂」という市民団体。同団体を立ち上げたのは、2歳7か月と9か月の子育てをする野村美穂さん(33)。野村さんは、小学生が一人で外食する姿に出会い、「おせっかいだけど、いっしょに食べようか? と言ってあげられたらいいな、と思いました」。親が仕事などで忙しく、子どもの「孤食」が広がっていることが気になったという。最近よく名前を聞くようになった「子ども食堂」を開けないかと、豊島区で開かれた子ども食堂のイベントに参加。さらに、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で仲間を集ったところ、20人が集まり、2月に同団体を立ち上げた。
4月には、子ども食堂を開く上でのノウハウを得ようと、「子ども食堂プレイベント」を開催。南部市場隣の飲食店や農園、すでに子ども食堂を開いている「こがねはら子ども食堂」が協力してくれた。メニューは、親子そぼろ丼、具沢山豚汁、大根サラダなど。
新松戸でのオープンには、「松戸くらしの助っ人」とMEP(松戸教育推進会議)が協力した。「松戸くらしの助っ人」は相互扶助の理念で高齢化社会を助け合って生きていくという地域社会を目指している在宅生活支援ボランティア団体で、もう20年以上活動している。MEPは地域に開かれた中高生の居場所づくりを目指しており、この日も子ども食堂の後にワークショップが開かれた。
この日の「子ども食堂」には、39人の親子連れが訪れた。メニューは七夕そうめん、七夕ごはん、七夕ゼリー。大人300円、高校生まで100円を払い、子どもたちは皿に自分で盛り付けて食べる。未就学児は無料。小学校4年生と6歳の幼稚園生の2人の娘と訪れた母親(39)は、「市民センターの図書館によく本を借りに来るので、寄ってみました。やっぱり、みんなで食べると美味しいですね。わきあいあいとしていて、いい雰囲気だと思います。また来たい」と話した。
今後は月に1回ペースで「子ども食堂」を開く。次回は8月6日の予定。
野村さんは、「私もまだ子育て中なので、月に1回ぐらいしか開けませんが、協力していただける方が増えれば、回数も増やして行きたい。食材、場所などお金の問題もあり、私たちにはまだ、月に複数回開く力がありません。地域には、一人暮らしのお年寄りもいますので、子どもだけでなく大人も気軽に来て、子どもたちと交流できる場所にできたら。子どもが一人でも安心して来ることができる、みんなの食堂をつくりたい」と話していた。「まつど子ども食堂」では、運営の協力者、食材・場所の応援者、寄付を求めている。フェイスブックに「まつど子ども食堂」のページがある。