松戸この1年を語る

記者が見た、聞いた2014年

 あと4日ほどで2014年も終わり。今年はどんな年だったのか。本紙記者の戸田照朗と竹中景太が1年を振り返ります(表は読売新聞12月2日朝刊の「あなたが選ぶ10大ニュース」を参考にしました)。

2014年(平成26年)の出来事一覧表

松戸駅前で演説する安倍晋三首相の写真▲松戸駅前で演説する安倍晋三首相

 戸 意外に今年は選挙の年だったんだね。

 竹 市長選と市議選があることは分かっていましたが、総選挙まであるとは思いませんでした。

 戸 松戸の新聞として、どう選挙に関わるか、いつも悩むところなんだけど。今回はボランティアのグループに協力するという形で、候補者への公開質問状を本紙とホームページに掲載しました。少しでも有権者の参考になってくれたらいいのですが。

 竹 公職選挙法の規定で、弊紙は告示後の報道が制限されますからね。難しいところです。

 戸 市長選は全候補者から回答を得られたんだけど、市議選は25人で、全候補者の約3分の1。ちょっと残念な結果でした。

 竹 候補者にとっても自分の考えを表明できる場所は貴重だと思うんですが、どうしてなんでしょう。こちらのやり方がまずいんですかね。

 戸 安倍政権は4月の武器輸出三原則の緩和、7月の集団的自衛権限定容認の閣議決定と、着々と独自色を出してきている。だから先日の総選挙は、経済政策だけではなく、とても大事な選挙だったと思うんだけど、投票率が約52%、と約半分の人が投票しなかったという結果に。

 竹 野党に入れようにも、どこに入れたらいいのか分からない状況でしたからね。そんなことも影響したと思います。

 戸 小渕さんに松島さんと、疑惑で辞任した元大臣も笑顔で当選。

 竹 まさに女性が輝く社会ですね(もちろん皮肉です)。

 戸 これで安倍さんに白紙委任したことになってしまうのかな。なんだか来年が空恐ろしいよ。

 竹 民意を得たんだから、と言うでしょうね。

 戸 沖縄では小選挙区で与党が全敗。知事選の結果も含めて、こちらの民意はどうなるのかな。

 竹 政治家の言う民意って、都合よく使われますからね。

 戸 今年、松戸では市の計画除染がやっと終わったんだけど、それくらい原発事故って広範囲に、長期に影響するものなんだね。

 竹 政府は原発再稼働も着々と進めるでしょうね。

 戸 うちの実家が九州の真ん中あたりにあるんだけど、川内原発で事故でもあったら、風向きによっては、影響うけるんじゃないかと思う。今年、阿蘇山が噴火したけど、川内も火山の近く。

 竹 火山の噴火に台風と、今年も災害列島を実感する1年でした。

 戸 だからこそ、災害は起こることを前提として、原発も慎重に対応するべきだと思う。

 竹 ゴーストライターがいた佐村河内守さんにSTAP細胞不正疑惑の小保方晴子さんと、今年は印象的な会見が多かった。

 戸 ネットで生中継されるようになって、記者でなくても会見を全て見られるようになった。今までは一度、記者の取捨選択にかかった情報しか得られなかった読者や視聴者が、記者のフィルターを通さずに、そのままの情報を得ることができるようになった。

 竹 記者はしっかりしないと、伝え方がおかしければ、すぐに分かってしまいますね。