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- カテゴリ: 日曜日に観たいこの一本バックナンバー
- 2015年3月22日(日曜)09:00に公開
- 作者: 戸田 照朗
日曜日に観たいこの一本
小野寺の弟 小野寺の姉
西田征史原作の同名小説の映画化。小説は以前に「本よみ松よみ堂」でも紹介したことがある。小説を読んで私の頭の中に出来上がっていたイメージからすると、姉より子役の片桐はいりはちょっと違っていて、弟進役の向井理はまあまあといったところだろうか。片桐はいりは個性が強すぎる感じがして、最初違和感を感じたが、徐々になじんだ。監督は原作を書いた西田征史なので、キャスティングはイメージ通りだったのだろうか。
親を早くに亡くしたより子と進の姉弟は、姉40歳、弟33歳という、かなりいい歳になってもいまだ独身で、ひとつ屋根の下でつかず離れず暮らしている。
原作は、そんな二人の日常をそれぞれの視点から描くエッセイのような小説だった。映画では、二人の恋愛によりスポットが当てられている感じがした。
別れた恋人の面影をいつまでも追いかけていてなかなか次の一歩を踏み出せない進。その進を心配して、外に連れ出そうと画策するより子。そんな時、誤配された郵便物をきっかけに、進にも新しい出会いが生まれる。一方、より子は勤めているメガネ店に来る営業マンにほのかな恋心を抱いていた。進は二人の恋の行方を遠くから見守っている。
小説ではあまり感じなかったが、結局、この姉弟は(決していやらしい意味ではなく)ブラコン、シスコンである。親が早くに亡くなったせいで、ずっと姉弟で支えあってきたのだから、その絆は強い。
兄弟との関係や距離は人それぞれで、観る人によって感じ方は違うかもしれないが、姉弟がお互いの恋愛を見守る感じが、私にもよくわかる(私の場合は弟)。
ほんわかとした、心地よさの残る作品。
ちなみに、進と絵本作家の彼女が出会うシーンに使われているのは、柏市の柏の葉公園のようである。
監督・脚本・原作=西田征史/出演=向井理、片桐はいり、山本美月、ムロツヨシ、寿美菜子、木場勝己、麻生久美子、大森南朋、及川光博、モロ師岡、梅沢昌代、村松利史、秋本奈緒美、橋本じゅん/2014年、日本
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「小野寺の弟・小野寺の姉」【通常版】DVD税別3800円、ブルーレイ税別4700円、【豪華版】DVD税別4800円、ブルーレイ税別5800円、発売中、発売元・販売元=ポニーキャニオン